老後不安と年金不信

我が家の子猫達

今日の読売の一面に「老後不安」最高の83%との記事が掲載された。サブタイトルで「年金不信」も71%とある。特に三十代、四十代の人の10人に9人は、老後不安を抱え、二十代では、10人に9人は年金不信と強い不安を表明している。10年前と比べ、約20%の上昇とあるから、年金を信用できないことから来る経済的な理由による老後不安が増加したのだろう。
調査方法は、全国の有権者3000人250地点、層化二段無作為抽出法)、戸別訪問面接聴手法で実施し、有効回収数は1901人(回収率63.4%)と有るので、この統計的な数字は信頼がおけるものと思える。新聞記事では、年齢で区分けされているが、これを住居地域の都市化、あるいは所有資産、土地面積別に分析するともう少し面白い結果が得られたのではと思える。最も不安度が高いグループは、どの位の規模の都市に住む住人で、どの様な経済状況に置かれた人たちなのか。あるいはどの様な収入構造を持つ人達なのか。
例えば、僧侶は最も長生きをする可能性のある職業だそうだが、 当方が今までの人生で最も長いサラリーマン生活を送った新聞記者は、あまり長生きできる職業ではなさそうだ。先輩の定年を迎えた元新聞記者達の話を聞くと、定年して五年も経つと半数は鬼籍入りしているそうである。厳密な統計を取った訳ではないのだが、当方の実感とも一致する数字である。
平均余命の短いグループが、老後不安を抱える度合いが高いのか、それとも、経済的な困窮度が高いグループがそうであるのか、興味を覚える所である。
でも、当方の独断と偏見による推論であるが、不安度の低いグループは、平均余命とも経済水準とも関係なく、老後でも、何かすることを持てる人、あるいは存在を必要とする人が存在するか否かに、関わっている様に思える。
反対に言えば、地域社会と繋がりを持たないサラリーマン生活をしていた人が、定年になり、会社との繋がりを絶たれ、しかも年金が先行き目減りするのでは心配する状況が一番不安を助長する環境ではと思える。
しかも、やることは何も無い、存在を必要とする人も居ない。
この様な状況の人が増えれば増えるほど、社会は不安度を増していくのは当然だと思える。